平成21年度
登録文化財耐震改修現場見学会+三木の町並み散策を終えて


今回の事業は社支部のご協力のもと行われました。

もうすぐ師走ということもあったせいか参加者の方も予定していたより若干少なく会員24名(うち社支部協力6名)で行いました。

三木市と言うと余りなじみのない方々が多いかもしれませんが歴史は古く特に現代の町並み形成のもとは戦国時代末期にさかのぼります。三木市の旧市街地には有馬道(ありまみち:湯ノ山街道と呼ばれています)、姫路道(ひめじみち)、明石道(あかしみち)が交差している交通の要所でもありました。これらの街道沿いに大工鍛冶の町として発展し、江戸時代後期から明治、大正建造の切妻平入りの町屋が数十年前までは軒を連ねていましたが現在ではその数も激減しています。その姫路道界隈の町歩きと移設保存され骨組みだけとなった旧三木鉄道三木駅舎方面に足を運びました。この駅舎の現状は軸組を残しあとは全て撤去されいる様で建物を保存するとはどういうことなのか?を再自問する光景でした。

続いて国の登録文化財である小河家別邸を訪れると建物はもちろんのこと庭園のすばらしさには改めて感動します。この庭園も登録記念物となっていて今回参加できなかった方々にも是非一度は見学していただきたい物件(現在月一度の一般公開を行っています)です。この私有建物であったこの別邸も所有者である方の文化財保存に対する深い理解のもと保存活動を数年前より行ってきましたがこの度三木市に寄贈という形でその努力が実りこれから郷土の文化資産として保存活用して行く方向になりました。こういう熱意と文化財建造物に対する建物所有者の理解には建築士個人としても尊敬の念をいだき心より感謝しています。




午後からは登録文化財旧玉置家(たまおきけ)住宅の耐震改修現場のセミナーと見学会を行いました。セミナーでは文化財建造物を中心とし、官民一体となったこれからのまちづくりについて、又耐震改修に関する技術的な講演を聴いたあと現場見学に入りました。現場の見学会では耐震補強された(隠ぺい部)が既に仕上げを施され肝心の補強の様子が全く見学できなかったこと、又補強に関する具体的な資料も配付されなかったのが建築の専門家として残念でなりませんでした。




そういった事情により予定より若干早く事業が終了しましたが事故も無く終われましたことについては社支部はじめスタッフの方々に心より感謝いたします。


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