苦難の先には明るい未来がある
日頃より会員の皆様には当会へのご支援とご協力を賜りまして感謝いたします。
今年度は、支部設立60周年の年を迎え、ひとえに会員の皆様、並びに建築士会に賛同してご支援して頂いた方々のおかげをもちまして今日まで継続してこられたと感謝申し上げます。
令和2年度に始まったコロナ感染症は感染者数の増減を繰り返しながら、緊急事態宣言、まん延防止法も発出、延長、解除されています。しかし、今日に至るまで未だ収束の目途がたちません。優れた日本の薬品メーカーにより経口治療薬が開発され、使用される日が近いとのことですが、どうぞ皆様今しばらくは、今までどおり手洗い、消毒、蜜を避けて頂き、コロナ感染症に感染しない、感染させない様に互いに注意いたしましょう。
3月16日深夜に福島県沖でマグニチュード7.4 の福島・宮城地震が発生し、いまだに余震が続いています。地震により新幹線が脱線したり、停電が発生したりと被害はありましたが、地震の規模にも関わらず、家屋の倒壊、人身への被害が少なかったことは幸いでした。太平洋側でも福島・宮城地震に関連しているか否か不明ですが地震が多発しています。コロナ感染症拡大のなか地震による被害で避難生活を強いられている方々には多くの制約が課され、さぞや辛い日々をお過ごしのこととお見舞い申し上げます。
海外においてはウクライナがロシアに侵攻され、子供を含む多くの一般市民が戦禍にまきこまれています。一日も早い終結を望みます。ニュースや報道を見ていると多くの住宅や施設の地下室、地下壕、地下鉄駅舎等がシェルターとして使用されています。日常から危機意識が強く、如何なる災害に対しても生命を守ることができる対策がなされていることに関心を持ちました。私たち日本人も大地震、大津波を経験して災害対策を講じていますがいろんな災害から身を護る危機意識を今以上に持って対策していかなければならないと考えます。
コロナ感染症のような特殊災害、地震や豪雨等の自然災害、不適切な造成工事による土砂崩れなどの人為災害等、今後もいろんな災害での苦難が待ち受けていることでしょう。
フランスの哲学者アランのことばの中に「怒りと絶望は、まず第一に克服しなければならない敵である。それには信じなければいけない。希望を持たなければならない。そして微笑まなければならない」 決してくじけない楽観主義者で前向きに希望を持って笑顔でいることが重要であると言っています。
私たち建築士にできることは何があるでしょうか。いろんな災害に対処できる堅剛な建物や環境を造ることはもとより、人々のコミュニケーションによる情報の伝達、交換により、精神的に安心感をもっていただくことが重要であり、何事にもくじけず、希望と微笑みをもって寄り添い立ち向かっていくことではないでしょうか。
建築士会は今後も会員の皆様が互いに情報の提供、交換を円滑に行える団体であること、そのことにより人々に物理的・精神的に安心・安全な社会生活が過ごせる物づくりを提供することで社会に貢献できるのではないでしょうか。
更に、一般の方々にも建築士の存在を知っていただき、建築士としての技術、知識を提供することが建築士の地位向上と建築士会が市民の皆様に認められた団体であることを願っています。又、会員皆様には相互扶助をもって、笑顔で、安心し、希望を持ち、参加していて良かったと思われる団体であり続ける為にも、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
最後になりますが、このような社会状況の中ではありますが、公益社団法人兵庫県建築士会神戸支部では、会員の皆様に対し、講習会、見学会、セミナー、耐震相談等の事業活動を展開することで、多くの情報を得ていただき、技術の向上、知識の習得、研鑽の一助として役立てて頂きたいと考えています。そして、会員皆様方のこれからの、ご多幸とご健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。
令和4年4月23日 戎 孝之 支部長 挨拶より